同一労働同一賃金の導入背景

厚生労働省によれば、2020年から同一労働同一賃金という考え方が日本の法律に適用されることが決定しました。

同一労働同一賃金とは、同一企業・団体におけるいわゆる正規雇用労働者(無期雇用フルタイム労働者) と非正規雇用労働者(有期雇用労働者、パートタイム労働者、派遣労働者)の間の不合理な待遇差の解消を目指す目的で施行される賃金制度です。


今回施行された理由には、働き方改革による国民総生産(以下、GDP)を増やすためです。

GDPとは下記の説明の通り、国内で生み出された価値を金額で示したものです。GDPを上げるためには以下をする必要があります。

①労働人口の増加
②労働生産性の向上
③賃金の底上げ


国内で一定期間内に生産されたモノやサービスの付加価値の合計額。
内閣府 GDPとGNI(GNP)の違いについて


以下の図は欧米諸国ならびに日本における正規雇用者と非正規雇用者の賃金水準の違いをパーセンテージで比較したものです。

フランスやスウェーデンに置いて、非正規雇用者の賃金が正規雇用者の賃金の約9割に相当しています。

一方、日本で6割に満たない数字となっており、各国と比較して賃金格差が激しい国であることが見て取れるでしょう。

賃金格差
参照先:「地方公共団体の短時間勤務の在り方に関する研究会」説明資料

日本の労働者の4割は非正規労働者で、正社員の賃金の半分程度の収入しかないのが現状です。

そこで今回、非正規労働者の賃金を底上げすることになりました。さらに賃金の底上げをすることで、非正規労働者を増やすという狙いもあります。

その結果、GDPを上げるために必要である賃金の底上げと労働人口の増加が達成されるのです。これが2020年4月から同一労働同一賃金が導入された経緯です。

本コラムを読むことで、同一労働同一賃金の内容から企業側の対応まで理解することができます。最後までじっくり見ていきましょう!

同一労働同一賃金とは

同一労働同一賃金とは、同一企業・団体におけるいわゆる正規雇用労働者(無期雇用フルタイム労働者) と非正規雇用労働者(有期雇用労働者、パートタイム労働者、派遣労働者)の間の不合理な待遇差の解消を目指す目的で施行される賃金制度です。

正規雇用者と非正規雇用者の賃金格差を減らすことで、多様な働き方を推進し、労働人口を増やしていくことが狙いです。

同一労働同一賃金

同一労働同一賃金の具体的な内容

①待遇差をなくすための規定整備

企業側は正規労働者と非正規労働者の賃金・福利厚生を含めた待遇格差を把握し、修正しなければいけません。ここで勘違いしてはいけないのは、理由もなく賃金を同一にしてしまう必要はないということです。


役割・スキルなどの明確な理由があれば賃金格差をしっかり設けることが許されているためです。

企業側としては、正規労働者と非正規労働者の役割・スキルの棚卸しを行い、それに応じた賃金制度を作成しましょう。

以下は具体例です。

  1. ・ 非正規労働者の仕事内容や責任の程度を軽減することで、正規労働者との区別を明確にする
  2. ・ 非正規労働者と正規労働者の間で、転勤の範囲や職務内容の変更の範囲の差を明確にする
  3. ・ 非正規労働者の中でも正規労働者と同様の仕事をしている人は、正規労働者に登用する
  4. ・ 正規労働者に支給されているが非正規労働者には支給されていなかった賞与、手当、退職金等を非正規労働者にも支給することを検討する
  5. ・ 正規労働者に支給されているが非正規労働者には支給されていなかった手当、退職金等の廃止を検討する

②待遇に関する説明義務の強化

規定を改正・修正したら、対象従業員に説明をできる状態を整備しておきましょう。また口頭だけでなく、書面に残し文書化しておきましょう。

万が一、問題が発覚した際に便利になります。実際に従業員には集会を開催し、説明する機会を設けるても良いでしょう。

同一労働同一賃金のメリット・デメリット

同一労働同一賃金のメリット・デメリットについて見ていきましょう。

一方企業側からは賃金格差を修正するため、人件費が高くなる恐れがあります。

また今回の施策は多様な働き方を促進するため、急激な人手不足に陥る可能性もあります。少しでも早い対応をするようにしましょう。

メリット
・ 非正社員の待遇への納得感を高めることができる
・ キャリアアップしたい非正社員にも活躍の場を与えられる

デメリット
・ 人件費負担が大きくなる可能性がある
・ 人手不足への対応が必要になる

企業側の対応チェックリスト

厚生労働省ではより詳細に今回の同一労働同一賃金制度への企業側の対応を詳細にまとめています。




(参考)厚生労働省 同一労働同一賃金ガイドライン

上記の説明では同一労働同一賃金制度の説明がされております。裁判で不明確な点をなくすためにもしっかりと待遇について議論することが記されてます。

また厚生労働省のガイドラインでは、家族手当・退職手当・住宅手当などについては説明がないためこちらも各社議論をする必要があります。

総合的に賃金だけでなくその他含めた待遇について議論するようにしましょう。

最後に

同一労働同一賃金制度について理解できましたでしょうか?この制度は2020年4月から施行されます。

対応をしないと、裁判に発展する可能性もあります。不明点などがあれば、ぜひ一度下記のお問い合わせフォームからご相談頂ければと思います。