2007年にシリーズ1が、2020年にシリーズ2が放送された「ハケンの品格」は、どちらのシリーズも高視聴率を叩き出した日本テレビの人気ドラマです。

なぜこういった派遣主体のドラマが作られヒットしたのか?
能力の高い大前春子が派遣として活躍することに現実味があること、派遣という雇用形態が世の中でもオーソドックスになってきている、といったことが考えられるのではないでしょうか。

実際派遣社員を活用する背景として

何故派遣社員を活用するのか?
『派遣社員の活用理由として即戦力・能力のある人材を確保するため』34.5%
『正社員を確保できないため』33%

まさに篠原涼子演じるスーパー派遣・大前春子は能力が高く、「契約延長、担当セクション以外の仕事、休日出勤、残業は一切しない」

という契約条件で、老舗食品会社S&Fに事務派遣として派遣されます。
不愛想な態度で初めは周囲から反感を買うが、様々な資格を活かして会社のピンチを解決したり、派遣社員ならではの苦悩や困難に立ち向かい他の契約社員を助けたりしていくうちに周囲からも認められ、社員と派遣の軋轢を解消していきます。
そのような「ハケンの品格」にみられる派遣社員のメリットとして、どのようなものがあるのか見ていきたいと思います。

大前春子の働き方
まず「ハケンの品格」シリーズ1では、世間的な派遣社員のイメージを大きく覆す大前春子のキャラクターに大きな衝撃を受けます。
時給3000円の特Aランクの派遣になれるほど多くの資格を持っているにも関わらず正社員にならない大前春子には、銀行からリストラを受け会社を信頼できなくなったという驚きの過去がありました。
実際に、派遣社員として働く理由の中に「安定している」という理由があるようあえて派遣社員を選択する、大前春子の働き方は多くの共感を呼びました。

また、会社の面倒くさい人間関係にまきこまれることを嫌い、終業時間後の飲み会に参加しなかったり、正社員や上司にも媚を売らずズバズバと意見したりする姿に、本当は大前春子のように自由に生きたいと憧れる人も多いのではないでしょうか。
シリーズ2では、S&F退社後、海外に行ったり他の会社で派遣として働いたりした大前春子が再びS&F社に戻ってきます。
シリーズ1が放送された2007年と比べ、シーズン2が放送された2020年なると正社員は安定という概念が少しずつ変わり始め、派遣無しでは会社が回らないと言われるほどに世の中の派遣社員の割合も増えたりしたことから、ドラマの中で描かれる正社員と派遣社員との待遇の差や契約期間延長の有無に怯える契約社員の姿により親近感を覚える人が増えたのではないでしょうか。

また、正社員として雇用してもらえなかったというマイナスな理由だけでなく、『派遣社員としてなら働きたかった憧れの会社で働くことができるから』
というプラスの理由で派遣社員を選んだ、山本舞香演じる千葉小夏の言葉も非常に印象的でした。

「ハケンの品格」にみられる派遣社員のメリット

・定時上がりできる
・責任度が低い為社内トラブルに巻き込まれにくい
・ライフスタイルに合わせた働き方ができる
・自らの力があれば会社が倒産しても生きていける
・新卒で入社できなかった会社で働くことが出来る
・時給が高い


まとめ
2020年4月から大企業で、2021年からは中小企業でも「同一労働同一賃金」が施行され、人々の働き方はより多様化していくと考えられます。さらに大前春子と同じ事務派遣は、派遣業界の中で最も需要の多い職種になっています。上記の「ハケンの品格」からみる派遣社員のメリットに魅力を感じる方は、派遣社員として働くことを考えてみてもいいのではないでしょうか。